2024/11/04 01:08

陳社長の紹介を受けて訪れた鳳凰単叢の仕入れ先は、鳳凰鎮にひっそりと佇む古くとも伝統的な製茶工房でした。ある日、私はこの特別なお茶の生まれる土地を実際に体験したくなり、思い切ってその地を訪れることにしました。初めて足を踏み入れた山道を進むと、やがて山々に囲まれた小さな村に辿り着きました。その中心には、風情ある古いこぢんまりとした茶工房があり、どこか懐かしい香りが漂っていました。

工房に入ると、温かな笑顔で迎えてくれたのは、この地で長年お茶作りに携わってきた熟練の製茶師でした。彼は茶葉の収穫から焙煎に至るまで、全ての工程を一手に担う職人で、その年季の入った手つきは熟練の技を物語っていました。彼はその日の湿度や気温に応じて、茶葉を丹念に調整していました。

私が訪れたことを告げると、彼はすぐにお茶を淹れてくれました。小さな飲杯に注がれた鳳凰単叢は、岩茶とは異なる淡い色合いを持ち、芳醇な香りが立ち上りました。その香りに自然と顔がほころび、ひと口含むと甘く濃厚な蜜の香りと、花のような香りが口の中に広がりました。これまでのどのお茶とも違う、豊かな味わいが舌を包み込む瞬間、私は思わず言葉を失いました。彼は静かに「これは老叢の蜜蘭香です」と教えてくれました。

この鳳凰単叢には、自然の息吹がそのまま詰まっているようで、山の恵みと製茶師の情熱が見事に調和していました。その場で彼と語り合ううちに、私の中でこのお茶を多くの人々に届けたいという気持ちがどんどん強まっていきました。

皇御茗として、この特別な鳳凰単叢を扱うことは、単なるお茶の販売を超え、この地と彼の思いを共に伝え、本物の味わいを人々に届けることができるという自信を与えてくれました。そう確信し、私はこの鳳凰単叢の販売を決意したのです。