2020/10/04 12:41

岩茶が美味しい季節が到来しました。寒い季節だからこそ温かい岩茶を飲みたくなってきます。



そんな時期もあってか、他のお茶にない岩茶だけの特徴は何か?と考える事があります。

皇御茗が商品としての岩茶を扱う以上はどのような味わい、香りがするかをできるだけ文章化できるように心がけてはいるのですが、中々難しいです。

岩骨花香、岩韻などの用語や伝説、背景を用いたあたりさわりない説明でも良いのですが、それだと奥深く多様なこの岩茶のフレーバーの世界をお伝えするのが難しく、かといって中国語の商品説明をそのまま訳しても雰囲気をお伝えできない事がほとんどですし、どうしようかな?と日々考えております。

一番良いのは皇御茗の店舗でテイスティングして頂く事ですが、コロナの影響もあり移動が難しい方もいらっしゃるかと思います。

しかしながら、もし可能でしたら現在店舗での試飲もしておりますので是非お気軽にご連絡いただければと思います。


話がそれましたが、ここからはそんな岩茶特有のフレーバーについて私の独断と偏見で紹介させて頂きたいと思います。一般的なものから、変わり種まで色々ご紹介しますのでお付き合い頂けましたら幸いです。


①焙煎フレーバー

やはり岩茶特有といったらコレでしょうか。焙煎の香り、火の香り、それに続く甘い香り味わい。岩茶好きでこれが好きな方多いように思います。焙煎が強い岩茶に多いフレーバーの特徴ですね。

肉桂品種の香りに強い焙煎のニュアンスを加えたお茶などは堪らなくクセになってしまう方もいらっしゃいます。

皇御茗のお茶にも一部焙煎が強いものもありますが、品種的な特徴や畑の個性を活かした作りのものが多いので焙煎は軽いラインナップが多いです。


②スパイシーフレーバー

これは唐辛子や黒胡椒のフレーバーとかではなく、抽象的な表現になるのですが、肉桂品種の香はとりわけスパイシーで香り高い事が多いように思います。

肉桂とは日本語でシナモンの事ですが、香りはザ・シナモンというわけでもなく、他の品種と比べた時に雰囲気的にスパイシーだなと思う事が多いです。

弊社Bグレード正岩茶慧苑坑肉桂はとりわけこのタイプのお茶です。花というにはそこまで派手ではなく、果物というわけでもない。ココナッツのような丸みを帯びた甘い香りのスパイシーなイメージのお茶です。


③花フレーバー

安渓清香鉄観音のような生花のような香り、台湾高山茶や文山包種茶のような清らかな蘭のような香り、鳳凰単叢の木犀のような香りやクチナシのような香り、様々ありますが、岩茶で感じる花のフレーバーもあります。

私の経験不足で、岩茶の花のフレーバーに該当するような具体的な花のイメージがわかないのですが、弊社商品にもいくつか該当するであろうラインナップがあります。


新品種金仏などは、本当にわかりやすい花の香りがします。烏龍茶が初めての方でも驚くような華やかな香りが特徴です。


牛欄坑肉桂などもわかりやすい花のフレーバーが致します。牛肉は別格です!


④花粉フレーバー

花粉の香りを嗅いだことはありますか?

花粉といっても色々ありますが、角が丸まった甘くて花っぽい、鼻に滞留するような香り。リナロール感。

このタイプの香りのイメージは雀舌品種のお茶などでしょうか。

一部の名叢や水仙でも感じることがありますが、雀舌はわかりやすいです。


⑤緑のハーブのフレーバー

グリニッシュ、ハーブっぽい感じ。どうしても抽象的な表現になりますが、このようなフレーバーの岩茶も存在します。

白鶏冠などはまさにそのような感じです。焙煎が軽く、数あまたの岩茶と雰囲気が異なる感じが致します。

少しニュアンスが違うかもしれませんが、個人的に

观窠水仙などは水仙品種の個性+和製ハーブ、土、森などの景色を彷彿とさせるイメージがあると思います。これは本当におすすめです。


⑥フルーツフレーバー

鳳凰単叢ならぶどう、もも、梨、パッションフルーツなどの自然のフルーツフレーバーのお茶に出会った事がありますが、岩茶の場合も時にはフルーツフレーバーを感じることがあります。


牛欄坑肉桂は茶葉の量、水や淹れ方など条件が揃えば桃のような香りを呈する事があります。


そして私の経験の中でですが烏龍茶の中では一部の岩茶でしか感じたことのないレアなフルーツの香りがあります。

それはバナナです。バナナなのですが、どちらかというと生バナナというよりもバナナフレーバーのチョコレート、あれに近いような気がします。これも水との相性や淹れ方で感じたり感じなかったりするのですが、弊社ラインナップだと九龍窠肉桂などで感じる事があります。


⑦木、コケ、土フレーバー

イメージですがこのようなニュアンスを感じるお茶もあります。

木を割ったときの甘い香りに土の香りがミックスされた地味で派手さはないけど味わい深いお茶。

弊社古井水仙などはこのカテゴリーに入る気がします。


⑧梅フレーバー

この香りは熟成された烏龍茶や紅茶に現れます。梅のような酸の香りがしますが、味わいには香りほど酸味は感じられない事が多いように思います。熟成されたお茶は陳茶、老茶とも呼ばれます。岩茶だけでなく、鳳凰単叢や台湾烏龍茶の老茶にもこの香りが出てきます。その地方の烏龍茶の特徴+熟成の香りを楽しむ事ができます。

弊社ラインナップだと、陳茶にするべくして製茶した3年、6年、10年熟成の商品があります。


⑨糖分フレーバー

フレーバーという表現が正しいかわかりませんが、これはお茶に糖分を添加しているわけではなく、原材料と製茶法の要因でこのような自然な甘さが醸し出されると考えています。まだはっきりとは申し上げる事ができない仮説の段階ではありますが。

比較的ハイグレードのお茶に多いように思います。味わいが和三盆糖のような甘さでサラッとしており上品でなめらかで緻密。上品なお茶のお手本のようなお茶。

皇御茗では九品紫金楓樹水仙などがこれに相当するように思います。



他にも様々なお茶のフレーバーがあると思いますので色んなお茶を試して冒険してみても楽しいかもしれません。また、他にもこんなタイプもある、このような表現の方が良いなどの意見などございましたらご連絡頂けましたら幸いです。


長文にお付き合い頂きありがとうございました。