2020/10/04 02:14
最近、色んな岩茶を飲んではみたいけれどもどれを選べば良いかわからないというお声を頂きましたので、岩茶の選び方について参考程度に記載させて頂こうと思います。
岩茶については、乾燥茶葉の観察から品種を見分けるのはプロでも難しいところがあります。それくらい、どの岩茶も見た目が似ています(笑)それ故に乾燥茶葉の写真からはなかなか品質を想定しにくいです。

しかしながらそんな似たような見た目の茶葉でも、抽出して初めてその茶葉の香り、味わい、水色、水質などの個性がはっきりとわかります。

そこで茶葉の見た目ではわかりにくい岩茶を、私の独断と偏見で品種という観点からグループに分けて、それぞれのグループの特徴を紹介していこうと思います。
①メジャーな伝統品種グループ(肉桂、水仙)
②希少な伝統品種グループ(鉄羅漢、白鶏冠、水金亀など)
③大紅袍グループ
④新品種グループ
⑤奇種
①メジャーな伝統品種グループ
実は岩茶の世界では肉桂品種と水仙品種の栽培が大半を占めています。
肉桂はその名の通り香りが強いものが多く、作りによっては果実や花などの香りが出てくるものも。岩茶好きの人には肉桂が好きな人が多いように思います。
水仙は比較的香りが華やかで、旨味のある感じがします。
しかしながら同じ品種だとしても畑により、製法により、作り手のスタイルにより、これが本当に同じ品種なのかと思えるほどに多様な味わいのお茶が存在するのがこのグループの面白いところです。
ワインで例えれば、同じ品種なのに一本1000円のものもあれば100万円の商品もあり、味わいが異なっている例に似ています。
もし、手元に肉桂や水仙のお茶があればその味わいを基準にして、そこから畑名やグレード別に飲んでいくのも面白いです。それぞれ雰囲気が全く異なるので驚く事も多いです。ごめんなさい、最初から少しディープな話になってしまいました(笑)余談ではありますが皇御茗はこのグループのお茶が得意です(笑)
观窠水仙は体に馴染むような水質と森を茶に溶かし込んだような香りが特徴的です。まさに官能的です。
慧苑坑水仙は全体的に丸みを帯びた華やかさが特徴的で非常に飲みやすいです。
②伝統的な名叢グループ
このグループは希少かつ有名な品種のグループです。比較的昔から存在している品種で、4大名叢(大紅袍も含まれるのですが、ここではあえてグループを別にしました)もこのグループに含まれます。そもそもこのグループは正岩茶の栽培が少ないので、①メジャーな伝統品種グループのように1つのメーカーの中で多くのグレードがある事は珍しいように思います。それ故、市場に出回る事も少ないです。
一概には言えないのですが、参考までにそれぞれの品種ごとのイメージを大まかに記します。
鉄羅漢は、味わいがとりわけヘヴィな感じがします。焙煎を効かせた岩茶のフルボディ的な存在。
白鶏冠は焙煎が比較的軽く製茶される事が多く、同じ岩茶の中でも香りがハーブのようなグリーンさを感じます。数ある岩茶の中でもとりわけ雰囲気を異にしています。
水金亀は味わい的にクリアで個性的な風味があります。白鶏冠ほどではないにしても、焙煎をそこまで強くはしない事が多いです。
あまり多くは流通していませんが、それぞれの品種が個性的なので、飲み比べをすると面白いです。
③大紅袍グループ
このグループは、とりわけバランスが良いと言われることが多いです。
大紅袍と呼ばれるお茶は品種的に分けて2種類が存在しています。
1つ目は奇丹品種のもの、2つ目は北斗品種のもの。
奇丹と北斗を比べると、奇丹は雰囲気が華やかで軽やかなイメージ、北斗はボディが強くザ烏龍茶のイメージがします。抽象的な表現でわかりにくいですが、バランスの良さに加えて①、②のグループと比べても異なる個性を持っています。
名前を同じにして中身が異なるので、もしお茶屋さんで大紅袍に出会ったらどちらの品種か聞いてみても良いかもしれません。
④新品種グループ
このグループも面白いです。その名の通り比較的新しい品種で構成されています。あえて新品種として市場に流通しているだけあり、既存の品種にはない個性的なものが多いです。弊社で扱う品種でも様々ありますが、金仏などはとりわけ華やかでわかりやすい、台湾茶好きの方や岩茶が初めての方でも楽しい気持ちになります。日本の市場でも様々ありますので是非お試しください。
⑤奇種
これは在来品種の事です。科学的な説明として在来品種とは、その土地で昔から実生で栽培されてきた品種の事で、幾星霜世代を越えて、その土地の風土に適応した安定的なDNAの品種になります(適応できなかったものは淘汰されていき最終的にその土地に適応できたものが在来品種と言えます)。①〜④のグループはDNAが品種ごとで同じですが、在来品種と言われた場合は実生のため、チャノキ一本一本が異なるDNAを持っています。
皇御茗の奇種は木の甘い香りと焙煎香があり、味わいは甘く上品ですが言葉では表現しずらい複雑な風味も感じられます。
様々な奇種があるのでお好みのものを見つけてみてください。
以上岩茶の選び方品種編でした。
本記事を最後までお付き合い頂きありがとうございました。