諸君　私は岩茶が好きだ

諸君　私は岩茶が好きだ

諸君　私は岩茶が大好きだ

肉桂が好きだ

水仙が好きだ

水金亀が好きだ

鉄羅漢が好きだ

白鶏冠が好きだ

北斗が好きだ

奇丹が好きだ

雀舌が好きだ

奇種が好きだ

牛欄坑で　慧苑坑で

倒水坑で　流香澗で

悟源澗で　九龍窠で

竹窠で　鬼洞で

楓樹窠で　古井で

武夷山で生産されるありとあらゆる岩茶が大好きだ

種類をならべた岩茶のテイスティングで、空間が艷やかな香りで満たされるのが好きだ

宙高く落とした熱湯が茶葉に注がれ沸き立つ緻密な泡が湯面を彩る時など心がおどる

　　　　　　　　　　　　　　　　

淹れ終えた後の茶殻が、茶殻となってもなお香りを残しているのが好きだ

新茶のテイスティングで満足できる品質を確認できた時は胸がすくような気持ちだった

初めて飲む岩茶を前に気持ちが高揚するのが好きだ

水を変えて味わいが向上した様は感動すら覚える

岩茶をはじめて飲んだ人に好きになってもらえた事などはもうたまらない

美味しいの次の段階の官能的な岩茶に遭遇した時など最高だ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

期せずして高品質の岩茶に遭遇した時など恍惚すら覚える

岩茶の捩れた形状が好きだ

低品質の岩茶にはじめて出合った人が岩茶は美味しくないと感じその人生で2度と飲んでもらえないのは悲しいものだ

芯まで凍るような寒い日に飲むと体と心が暖まるのが好きだ

岩茶がただ高いだけのお茶と認識されるのは屈辱の極みだ

諸君　私は岩茶を、美味しい岩茶を望んでいる

諸君　岩茶を愛好する茶沼茶友諸君

君達は一体何を望んでいる？

更なる岩茶を望むか？

情け容赦のない小区画の岩茶を望むか？

三坑両澗の限りを尽くし岩骨花香に酔いしれる夢の様な岩茶を望むか？

『岩茶！　岩茶！　岩茶！』

　　　　　　　　

よろしい　ならば岩茶だ

我々は今まさに岩茶を飲まんとする岩茶沼だ！

岩茶のその先の多様性を！！我々にただの岩茶ではもはや足りない！！

岩茶を！！

一心不乱に岩茶を！！